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2009年6月 4日 (木)

心霊写真

心霊写真というものを撮ったことがあります。
今から、20年以上前の春。
母と札幌の円山動物園に行きました。
その帰り道。

写真を撮るのが好きだったので、あちこち撮りまくっていた。
まだその頃はフィルムカメラ。
帰って、絵を描く時の素材にしようとも思っていました。

その時、ふと一度だけ、動物園の近くの住宅街の路上に停めてある車を撮ったのです。
なぜその時、そんな所を撮ったのか今になっても分かりません。


現像してプリントされた写真を見て、手が止まりました。

誰もいなかったはずの車の中に男の子がいます。
後部座席の真ん中ほどに。
年はおそらく、幼稚園年長さん~小学校一年生くらい。
眼鏡をかけていて、襟付きのシャツと半ズボン姿。
髪は切り揃えられて、乱れていません。
きちんと足を揃えて、前(車の前方)を向いています。
お母さんを待っているかのような顔をして、しゃんと座っていました。

漫画の「名探偵少年コナン」のコナンのようだと思ったのは、その時でしたか、
後から思ったか分かりません。
多分、コナンがよく着ている服と眼鏡が似ていたからだと思います。
蝶ネクタイはしていなかったと思うけど。
どこかの幼稚園の制服か、入学式などで着ているシャツのようでした。
ごく普通の男の子です。

その子が透明なことを除いては。

透明でした。
すりガラスに描かれた絵のように、輪郭が青みがかった白に見えます。
その周りが少しぼやけていて、立体的な形を作っていました。

これは、心霊写真か?
そう疑問に思ったくらい、はっきりとその子はいました。
怖さはありませんでした。

今、その写真は無いです。
しばらく持っていましたが、余りにもはっきりと顔が見えるから、いつかこっちを向くんじゃ
ないかと思ってしまった。
そう思うと、持っておけなくなりました。
でも、御祓いも供養の仕方も分からない。
迷った挙句、写真の上に塩を盛って、「ごめんね。御祓いの仕方を知らないの」と言って捨てました。

今、自分にはその子と同じくらいの年の子がいます。
もし自分が親だったら、例えそんな写真でも持っていたいと思う。
時折、その写真を思い出すのは、親の気持ちになってしまうからでしょう。

でも、そんな人ばかりではないでしょう。
その写真を見て、辛く、悲しむ人もいる。
そこに写っていたということは、まだ空へ帰っていないということなのだから。
もしかすると、あんなに綺麗に写っていたのだから、生霊だったのかもしれません。

何にせよ、本当に霊はいるのだと思いました。
多分フィルムカメラで撮れば、また何かが写るでしょう。
でもきっと、そういうものはそっとしておくのが一番いいのだと思います。 

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