三輪山の神の夢 その1
その夢を見たのは、小学4年生の頃。
当時は奈良に住んでいて、母の故郷がある福岡に、
夏休みの一ヶ月間ほど帰省していました。
その帰省から帰って、しばらく経った秋でした。
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祖母が私の手を引いていました。
目の前には木の塀が続いていました。
祖母の前の道路の向かいにあったのです。
木の塀沿いをしばらく歩くと、祖母はそれをそっと押しました。
一部が戸になっていて、中に入ることができました。
その向こうは・・・。
広い広い草原が広がっていました。
金色に輝く草原。
葉は緑色なのに、金に輝いているのです。
細い茎。
葦のようです。
それを静かに揺らす風。
どこまでも、どこまでも広がっていました。
お互い何も言わずに、その草原を泳ぐように歩きました。
しばらく歩くと、祖母がふと立ち止まったのです。
目の前には富士山。
迫ってくるような存在感。
淡く紫色に染まった富士山でした。
<これは・・・>
この”感じ”は・・・。
<神様だ>
そう思いました。
風が少し強く吹いて、草原の草を揺らしました。
緑の香りが私を包みます。
「・・・さま」
祖母が何かを話しましたが、風の音でよく聞こえません。
「この子が・・・です」
富士山に話しかけていました。
”この子が何?何て言ったの?”
すると祖母の声ではない声が頭の中に響きました。
”今はまだ・・・”
(知らなくていい、そんなニュアンスでした)
富士山が言ってる。
そう思いました。
その後、祖母は私の手を引き、
来た時と同じように木の塀を押して、外に出ました。
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*ずっと後になって重大なことに気づきます。
富士山と思い込んでいたのは、違う山でした。
奈良の三輪山。
私がこの時に会ったのは、三輪山の神でした。
夢を見た当時は、三輪山自体が御神体、神なのだと知りませんでした。
この夢をしばらくの間、現実だと思い込んでいました。
それ程、他の夢と違って「現実感」があったのです。
次に福岡に行った夏に確かめました。
祖母の家の前の道路に「木の塀」なんて、どこにもないのです。
それで、「あれは夢だったのか」と思いました。
そして、それから十何年も経ったある日、母がこんなことを言ったのです。
(続く)
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コメント
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弥沙さん こんばんは♪
なんだかとっても素敵な夢で 引き込まれてしまいました

草原のところは 宮崎駿のナウシカに出てくる
金色の草原を思い出しましたよ
お母様は なんとおっしゃったのでしょ~~~~
早く続きが知りたいですww
投稿: そら* | 2014年4月17日 (木) 20時08分
そら*さん、おはようございます
ナウシカのあの場面を初めて見た時に、
「この風景知ってる!」って鳥肌が立ちましたよ
なぜ、金色に輝いていたのかな~?
「金色」とか「紫色」というのは、神々しもの、
神秘的なものの象徴のような気がします。
あの夢自体そういう雰囲気だったので、
それを暗示していたのかも、と思います。
母が何て言ったかですが、次回をお楽しみに~^-^;
投稿: 弥沙(みさ) | 2014年4月18日 (金) 08時29分