儺の国の星 ~宇摩志麻治の名の意味~
福岡県筑紫郡那珂川町の図書館に「儺(な)の国の星」という
本があります。
ここにしかない本なので、閲覧したい時は、
直接この図書館まで足を運ばなければなりませんが、大変興味深い本です。
(* 追記 最寄りの図書館を通して、借りられることもあるそうです)
.
著者は真鍋大覚さん。
祖先は物部氏であり、代々大宰府の暦官の職務を世襲する家系だったそうです。
この本の原本は、9百年前、大宰府に納められた「那珂川に伝わる星」の名を
集めた本だそうです。
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那珂川町は古来から続く土地です。
魏志倭人伝にいう「奴」の国の都がこの地にある安徳台(とどろきの岡)に
あったという人もいます。
安徳台は、上の原、御所の原とも呼び伝えられていました。
古事記に出てくる
「竺紫(つくし)の日向の橘の小門(おど)の阿波岐原(あわぎはら)」が、
この土地だという伝承も残っています。
(この話は後ほど)
以下、儺の国の星 拾遺(2巻目)から抜粋。
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谷神(こくしん)を倭人は石上と書き"いそのかみ"と訓じてきた。
磯神が砂鉄を掬って炭とまぜて鉄を求めた仕事は黒に生まれ、
黒を育てて黒を成す過程にほかならなかったのである。
鉄を"ふるみたま"と言う。
暗黒の宇宙の色をそのまま復元した姿であった。
銀河を"うましのみち"と言う。
子午線に沿ってほぼ南北に流れるからである。
神に仕える女人を"うましをとめ"と言う。
容色美貌ことに秀れたる所以であって、
銀河はその無数の集合、
まさに美姫雲のごとく集い、
霞のごとくを述べた言葉である。
古人は星を石と書いたから、石女(うましをとめ)は
銀河の別名であった。
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そうか。
奈良の石上神宮の石上とは星神のこと。
「儺の国の星」に
記紀に布留御魂(ふるのみたま)は隕鉄、
布津御魂(ふつのみたま)は砂鉄を
精練した剣のことであった。
と言う記述もあり、隕鉄(隕石の内、鉄とニッケルを主成分とするもの*大辞林より)は
星そのもの、
"フル"とは、やはり星に関連する言葉なのだと思います。
"フツ"はスサノオ命。
"フル"はニギハヤヒ命の別名だったそうです。
「うましのみち」…"うましまち"は、銀河の…天の川のことだったんだと思い出しました。
宇摩志麻治。
ニギハヤヒ命とミカシヤ姫の子だと言われています。
そして、物部氏の始祖だとも。
(その呼び方であったかどうかは分かりません。意味がそう、だということだけ)
そういえば、ニギハヤヒ命がご祭神の、奈良の三島神社の三島は
「オリオン」の三つ星のこと。
大阪の石切劔箭(いしきりつるぎや)神社のご祭神もニギハヤヒ命でした。
石とは”星”のこと・・・腑に落ちました。
星、今でも好きですか?
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