若杉山 その1 結界とキャンプ ~福岡県~
前回の「結びの山」の記事に書きました、神籬(ひもろぎ)を作る筑紫三山。
その山の一つ(だと私は思っている)、若杉山。
そこには、飯盛神社の祭神、イザナミ神の夫婦神であるイザナギ神を祀る
太祖宮の上宮があります。
(なのでこの二つの山は、夫婦山とされています)
そろそろ行きたいなと思いながら、躊躇していました。
地図で見るとかなりな細い山道。
しかも何本もの分かれ道が・・・。
ですが先日、偶然にも行くことが出来ました。
GW中に予定していたキャンプの日が、予報で雨になったので、
近場で行ける場所は無いかと探したのです。
すると、ありました。
「若杉楽園キャンプ場」
管理人さんもいないので、予約無し、料金なし、トイレも綺麗で炊事場完備。
思い立った週末にふらっと行ける。
ネットの方々には「キャンプする人にとって、夢のような場所。まさに楽園。」と好評。
「ただし、管理人の方がいないので、来る時よりも綺麗にして帰ること」と、
何人もの方がコメントに書かれていました。
他のキャンプ場はとっくに予約でいっぱい。
ならば、ここにしようと。
そこは、あの若杉山の中腹にありました。
これは偶然ではないはず。
上宮のある頂上まで登山してこようと決めました。
キャンプ自体は、次の日も雨の予報になっていたので、
日帰りですることに。
朝の内に行って、お昼をそこでバーベキューをして、それから登山の計画です。
* .
若杉山へは、福岡県糟屋郡篠栗(ささぐり)の若杉山の麓の太祖宮を
過ぎた辺りから登っていきます。
一台がやっと通れるかの道なのに何台も離合します。
私の運転じゃさすがに無理だったな・・・。
麓から山道をしばらく進んだ時のこと。
突然、ふわんっとした空気の壁を通り抜けたような感覚がきました。
<これは、”結界”>
以前、愛知の鹿砥神社の奥宮が頂上にある山に、車で行った時にも
感じたのです。
その時よりは柔らかな感じがしましたが。
その後、空気が一変。
ぴーんと張りつめたような、肌がざわざわするような。
車窓から、「高野山○○寺」という看板が幾つも見えました。
そう、若杉山は霊山だったのです。
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”篠栗”
この辺りに住んでいる人には、その名は”篠栗八十八箇所霊場”で
知られています。
弘法大師が開いたとのことで、和歌山にある高野山系のお寺が、
篠栗・・・主にその若杉山に点在しているのです。
高野山○○寺
そう書かれた看板がキャンプ場の脇にもありました。
朝早くは大混雑でスペースもなかったのですが、10時くらいになると、
前の日からいた方々が撤退して、タープ(日よけのようなもの)を
張ることができました。
キャンプ場はそんなに広くはなかったのですが、ごみも落ちてなく、
焚火の跡などももちろんありません。
皆、とても丁寧に使っているように思いました。
ただ、トイレには、掃除用具がありました。
掃除をしている方がおられるのです。
キャンプ場は、お寺の私有地でした。
・・・きっと、お寺の方が奉仕の心で掃除してくださっているのです。
<<掃除は神ゴトに一番近い仕事>>
なるほどなぁと、納得しました。
霊山である若杉山の、お寺の私有地をキャンプ場にと
常時開放されている・・・。
山を土地を、そこに来る人を愛していなければ、到底できないことです。
高野山は確か密教。
教えを押し付けないのだそうです。
「使わせていただけることに感謝して、来たときより綺麗に」
そうあちこちでコメントを残してる人達や、ここに来てそう実践している人達には、
きっと届いていると思います。
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2時頃までにはバーベキューの片付けも済ませて・・・。
子供たちに一緒に登ろうと言っても、ここでまったりすると拒否されたので、
一人で登山に出発です。
( 若杉山 その2 ~奥の院 福岡県~ に続く )
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*若杉楽園キャンプ場は、後に有料になりました。
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