結びの山 ~その10 脊振山 ~
遠い昔、イザナギ神とイザナミ神は、言葉の乱れを嘆き、それを正す為に
国を巡り「アワの歌」を広めたとホツマツタエに記されてあります。
この二柱は、言霊に係わりのある神だと思われます。
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その神を山頂に祀った山がつくる筑紫三山。
その図を見て気付きました。
「矢の元」には「天岩戸(赤い印)」があるのですが、その背後には
「背振山」がありました。
(「脊振神社 上社 ~佐賀県神埼市~」)
(地図は、グーグルマップ より)
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神話の<筑紫の日向の高千穂のくしふるたけ>はここではないのかと
思っていたのですが、またもやそこに。
(「 「箸墓の歌」と”くしふるたけ” その2 」) .
*(長くなってしまうので、後の記事で
「天孫降臨とくしふるたけ」について書きます)
神話にある” くしふるたけ ”という名の山、
それは脊振山のことではないかと思うのです。
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背振(セフリ)山の名の由来の一つは、
「「背振神社蔵古書によると、絶頂に霊窟があり、二竜常に出現し
背を振る時、山が動き地震う、故に背振山と号する」」
(小椋一葉 著作「箸墓の歌」より抜粋)
脊振山の山頂の(降臨した?)二竜。
著者はこの二竜が、スサノオ命とニギハヤヒ命ではないかとしています。
(根拠は書かれていないのですが、周辺の神社などの伝承から
そう導き出されたようです)
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竜神が「背を振るう」という伝承を持つ山。
その内の一柱の神、それが「ニギハヤヒ」・・・?
「ニギヤハヒ」と、「くしふるたけ」、そして「背振山」。
この3つには、共通する言葉があるのです。
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神話の「くしふるたけ」 .
「くし」は、「奇(くし)」を表し、人間に不思議な奇跡をもたらすもの、
神の力を感じられるものという意味があります。
なので、奇(くし)なるものがふる(振る・降る)岳(山)
または、くし(奇)なる「フル」の山。
脊振山の、「竜神、すなわち奇(くし)なるものが背を振る(ふる)山・・・。
「クシフル」タケとは、
まさに、背振山の伝承を表しているように思えてなりません。
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この「クシ」と「フル」という言葉。
ニギハヤヒとも深く係わりがあります。
神の名で「フル」の神と言えば、ニギハヤヒ命を表します。
奈良の石上神宮に祀られているご祭神、布留神(ふるのかみ)は、
ニギハヤヒ命のことなのです。
かの神は、数多の名を持ちます。
「天照国照彦天火明櫛玉饒速日命
(あまてるくにてるひこ あまのほあかり くしたま にぎはやひのみこと)」
そして、「櫛玉命(くしたまのみこと)」「布留神」「大歳様」・・・。
年始に訪れると言う「歳神様」はこの神だと言われています。
歳神は、スサノオ命の子であり、稲穂の神。
ニギハヤヒ命と共通することが多いのです。
(何より、ARIONは「ニギハヤヒは、フルでありトシである」と
記していました)
多くの名があるのは、それだけ広範囲に様々な影響を遺したからでしょう。
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伝承(日本書紀やホツマツタエなど)では、ニギハヤヒが筑紫(九州の北部)
に来て、その後に天磐船に乗って、大和へ向かったとあります。
こちら(筑紫)には、その足跡を示すかのように彼の伝承を持つ神社が
数多くあります。
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その彼の名の一つが「フル」。
別名には「クシ」が・・・。
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「フル」という名。
ここにkono87さんがブログで取り上げられた「言霊の会」さんの言葉があります。
「マイ・ミュート・アーテ」より
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天津日嗣スメラミコトが、文明創造のために言霊スの立場より立上り、
臼の原理、五十音言霊の原理を活用・運用して政事(まつりごと)の
処理に当った。
その活用・運用することを古代では「振る」と言った。その言霊は
高千穂の奇振嶽(くしふるだけ)や石上神宮の言本(ふるのこともと)
などに遺されている。
(中略)
それが天津日嗣スメラミコトの仕事、即ち言霊五十音言霊という
鈴を振ることである。鈴の語源である。
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そして、上記の石上神宮に祀られる神は、布留(ふる)の神、すなわち、
ニギハヤヒ命。
”くしふるたけ”に共通する「クシ」「フル」も、布留の神である
ニギハヤヒ命を示すとしたら・・・。
・・・やはり、脊振山の伝承の竜神の一柱は、「二ギハヤヒ命」?
友人、kono87さんによれば、ニギハヤヒ命は
「五十音言霊の原理を活用・運用して政事(まつりごと)の
処理に当った。」
まさに、その人(神)だということです。
フル(振る)の神、・・・布留神
石上神宮や脊振山に祀られてるのは、この神?
イザナギ、イザナミを祀る神社や山が形作る筑紫三山。
そのARIONのいう”三四五の封印”の矢が指し示す先にあるのは、
「くしふるたけ」である脊振山・・・?
くし(奇)ふる(布留)たけ。
奇なる布留の山。
それが、脊振(セフリ)山なら・・・。
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( 続く )
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上記抜粋部分の元となる言葉を載せます。kono87さんのブログより。
「言霊の会」さん記載。
臼 と 鈴
「古事記」の神話はアイウエオ五十音言霊布斗麻邇の原理を言霊百神の物語として説いている。百神の初めは「天地の初発の時、高天原に成りませる神の名は天の御中主の神・言霊ウ」である。次いで先天言霊十六、アワオヲエヱ、チイキミシリヒニ、イヰが現れ、心の先天活動が定まる。次にこの先天の活動によって三十二の子音言霊、タトヨツテヤユエケメ・クムスルソセホヘ・フモハヌ・ラサロレノネカマナコが誕生し、次にこれ等言霊を神代文字化する火の迦具土の神・ンが生まれ、言霊総合計五十個が出揃ろう。
次に言霊の神・伊耶那岐の神は五十個の言霊の運用・活用の方法を検討し、五十通りの手順を経て言霊学の総結論である三貴子(みはしらのうずみこ)=天照大御神、月読命、須佐之男命を誕生させる。言霊布斗麻邇の原理の完成であり、伊耶那岐の命の天地創生の事業は終了する。
人が人の何たるべきかの原理・法則をすべて検討し尽くして黙居した姿を言霊スという。スメラミコトのスであり、住居・巣・洲のスである。創造主神伊耶那岐の命の仕事は言霊ウで始まり、言霊スに終る仕事によって言霊百神という子、即ち言霊布斗麻邇の原理が完成する。
稲(イの音)を挽いて粉(こ)を作る道具に臼(うす)と名付けた太古日本人の心は誠に素晴らしい。
伊耶那岐の命の言霊ウよりスに至る作業により言霊百神の原理、即ち人が人たるべき根本原理であるアオウエイ五十音言霊布斗麻邇の学が完成された。それは臼の原理とも言われる。「古事記」が教え示してくれる百神創生の順序はとりも直さず天津日嗣スメラミコトが、文明創造のために言霊スの立場より立上り、臼の原理、五十音言霊の原理を活用・運用して政事(まつりごと)の処理に当った。
その活用・運用することを古代では「振る」と言った。その言霊は高千穂の奇振嶽(くしふるだけ)や石上神宮の布留の言本(ふるのこともと)等に遺されている。スメラミコトは人類文明創造の仕事、即ち禊祓に当たり、言霊スの座から立上り、臼の原理を振い終わって再びスの座に帰る。スの完了形として濁点が付き、ズとなって収まる。スから始まってズに終る。それが天津日嗣スメラミコトの仕事、即ち言霊五十音言霊という鈴を振ることである。鈴の語源である。
石上神宮の伝え言に謂わく「一ニ三四五六七八九十と称えて、これに鈴を結べ」と。伊勢神宮は裂口代五十鈴の宮即ち言霊五十音を祭った宮であり、石上神宮は布留の言本即ち五十鈴を振るい文明創造の曲を奏でる方法を祭った宮である。
臼と鈴の語源は世界文明創造の中の日本民族の根本的なアイデンティテイに関係しているのである。これらの神々をチャートに表わしたのが神々の宝座である。
(抜粋終わり)
*前回、UPした時に頂きましたコメントも記載します。
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はじめまして、、、
弥沙さんと、ラトナ通信2017さんのブログへ引き寄せられる様に、お二人の記事を読ませて頂いております。
昨年、高千穂神社へお参りに行った時、
高千穂町の地図で目にした『クシフル』という言葉、心に響いてきました。
臼の考察から、ヤマトタケルの別名はヲウス
双子の兄の名はヲヲウスが思い出され、若杉山が筑紫三山という考察にも、驚いているところです。
投稿: YURA | 2017年2月 7日 (火) 09時17分
YURAさん、初めまして
コメントありがとうございます。
小碓と大碓ですね^^
臼と名がついていることに改めて関心します。
臼や鈴の原理にしても、神社に祀られている神の名にしても、
(後世に替えられてるとこもありますが)
普段から“言霊”である日本語を使う日本人は、
その本質を直感的に”知っている”ものなのかもしれません。
何かが心に響いた時は、それに気付いた時なのかもしれませんね
投稿: 弥沙 | 2017年2月 7日 (火) 18時18分