結びの山 ~その15 大歳の神~
< 大歳(おおとし)の神 >
ニギハヤヒ命の別名に”大歳の神”があります。
新年に訪れるという、「年神さま」とされています。
年の初めに赤子の姿で現れ、年末には翁の姿になり、
また次の年の初めに赤子の姿で現れるとされる神です。
稲穂の神様であり、それは稲の生長を表しているとされます。
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猿田彦神もまた、稲穂の神でした。
この「サルタ」という言葉について。
<その11>に少し書きましたが、ここで再び。
< さるた >
那珂川町の「日吉神社」の由緒書きに、サルタというのは、
赤米の品種のことであり、その農法も”サルタ”と呼ばれていたとあります。
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天照大神から授けられた斎庭(ゆにわ)の稲穂を育てるべき水田を
開拓して待ち給うた神と語られます。
”さるた”とは今も対馬と種子島に僅かに保存されている稲穂の
一品種なる赤米のことであります。
春に浅瀬の多い川を止めて湖を作り、これに苗を植え夏の日照り時に
水を引いて秋の収穫まで干し上げる古式栽培のことでもありました。
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サルタヒコとは、それを広めた人(一族)ではないかと思います。
「サル」という言葉でずっと気にかかっていた名称があります。
北海道にいた時に聞いた「沙流(サル)川」です。
もちろん、由来はアイヌ語。
野生種の猿は北海道にはいないので、あの猿ではありません。
「葦原や湿原」のことだそうです。
アイヌの言葉には、古代の日本のと共通するものがある
そう聞いたことがあります。
「サルタ」とは「葦原の田」または、「湿原の田」なのだと思います。
日吉神社にあった由緒書きの「サルタ」と呼ばれる農法と、
まさにぴったりと一致しています。
さすがに「儺の国の星」にある、星の名を伝えてきた土地。
その言葉の伝承を守り続けた長い時を思うと胸が熱くなります。
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また、朝鮮語で「サル」は、そのまま「米」。
古代北海道には米(稲)は育たないので、その言葉が持つ
もともとの意味合いは「葦原(湿原)。または湿原で育つ植物」だった
のではないでしょうか。
偶然同じとは思えないので、もしかすると、広範囲で交流があったの
かもしれません。
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猿田とは、「サルタ」という“音”に、猿というイメージが重なったものだと
思われます。
そうして名を得た神は、信仰により、一柱の神として独り歩きし始める。
と、すれば、猿田彦神もやはり稲穂の神。
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前述した稲穂の神である「大歳の神」は、ニギハヤヒ命です。
スサノオ神の子「トシ(オオトシ)」が、ニギハヤヒ命とされているのです。
ニギハヤヒ命の別名は、「トシであり、フル(布留)」
ARIONもそう言っていたことを思い出しました。
ニギハヤヒ神が大歳の神なら、猿田彦神と多くのことが結びつきます。
彼(彼ら)は、おそらく米の栽培農法を広めた人達・・・。
この土地の猿田彦神、ニギハヤヒ命とは、
おそらく数人の伝承が重なったものでしょう。
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天照であるニギハヤヒ命が大和に移る前にいた場所、それがこの土地だと
確信しています。
(後に、ニギハヤヒがこの地で生まれたのだと分かりました。)
・・・ですが、神話の禊の地、高天原かもしれないこの土地には、
その「天照」を祀る神社がありません。
それがずっと、気にかかっていたのですが・・・。
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日吉の神がニギハヤヒ命でもあるならば・・・。
おそらく「猿田彦神」と結びつけられて、「日吉神社」に祀られて
いるのだろうと思われます。
町の至るところに、「猿田彦神」と刻まれた道祖神もあります。
町の人達に寄り添い、大切にされている大いなる遺産。
今も”生きて”、町を守り続けているという神。
天照の痕跡は、こんなにもたくさん残されていました。
もしかすると、住吉の元宮である「現人神社」もそうかもしれません。
なぜか・・・。
それは、この神の存在を隠したかった人達がいたからです。
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ニギハヤヒ命は実に多くの名で呼ばれています。
また、他の神に巧妙に隠されもしています。
トシ(大歳神)、フル(布留の神)、大物主神、大己貴神、大山咋神、山王神・・・。
そして天照国照彦天火明櫛玉饒速日命。
ニギハヤヒ命と呼ばれる人が実在したとして・・・、
これだけの多くの名で呼ばれるようになったのは、多くの功績(足跡)を
残した人だから。
そして同時に、その存在を隠さなければならなかったから。
・・・それでも、決して消したくはなかったから。
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どうにかして後世に伝わって欲しいと願う、人の想いを感じ取れるのです。
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「ニギハヤヒ命」とされる人(または一族)は、日本のあちこちに
その農法を広め、土地を豊かな恵みあるものにしていった・・・
だから、こんなにも伝承が残り、消えずに伝えられているのでは
ないでしょうか。
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< 結びの山 >
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奈良の大和三山。
三島神社を頂点とした三四五の封印。
そして、筑紫三山。
どれもニギハヤヒ命が関わっていました。
これは偶然ではないと思います。
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そして、もう一つの「偶然」。
筑紫三山が示す封印の先にある、脊振山がクシフル岳であり、
ニギハヤヒ命である天照を表すものだととしたら・・・。
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その山の「前」に、「天岩戸」がありました。
天照が閉じこもった「天岩戸」
まるで、神話を具現してるかのようです。
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ARIONは、こうも言っていました。
「神話は未来をも暗示する」
ARIONのいう「三四五の封印」が解かれたのなら、
天岩戸から世に出る神の名は・・・、ニギハヤヒ命なのかもしれません。
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明日は「現人神社」「日吉神社」「伏見神社」の夏越祭です。
( < 結び >へ続く )
*以前、UPした時に頂いたコメントも掲載いたします。
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今晩は~。
なぜか?まだ「ニギハヤヒ神」の名前がピンと来ません???
もっと知りたくなりました
私は「元伊勢」関係なのだろうか???
最近、弥沙さんのブログを拝読していたら
「天岩戸」がもの凄く気になりだしました。
友人の奥さんにその事を話したら「六回目の天岩戸開き」が
始まっているよ。と教えてくれました。
何か、少し関係あるのかな~???
今週末桜井市周辺に行ってこようと思っています。
投稿: 章 | 2017年2月28日 (火) 21時14分
章さん、コメントありがとうございます^^
私も名前だけではまったくぴんと来ません。
おそらく後世に付けられた名なのかと思います。
「名」で言いますと、友人の元に現れた神霊は、
初めは”トシ”と名乗ったそうです。
後にニギハヤヒだと分かったそうですが。
夢の話ですが、私自身は普段は「リュウ」と呼んでいたようです。
大神神社の神が「大蛇」とされてると聞いて、納得しました。
「トシ」という名は、その時代の名なのかと思われます。
「フル」というのは、敬称か・・・枕詞のようなものだと思います。
そういえば、「布留(フル)」の枕詞は「石上(いそのかみ)」でしたね。
「儺の国の星」には、”ふるみたま”は鉄のこととありました。
(転じて”星”。)
石上に祀られているのが「フル」であり、石上と言えば「フル」を表し、
もともと「フル」といえば、「トシ」を表していた・・・。
そんな感じだと思います。
「岩戸開き」のことですが、ARIONは
「こたびは、○度目の岩戸開き。最後の機会」
と言ってました。
何度目かは忘れましたが。
岩戸行かれるのですか。
いいですねぇ^^
「三島神社」もぜひ!
宗教に偏見がなければ、おぢばを見るのもよいかもです^^
章さんのブログ、いつも楽しみにしてます(*^^*)/
投稿: 弥沙 | 2017年3月 1日 (水) 08時59分
ありがとうございます。
弥沙さんのおっしゃる「おぢば」とはどこにありますか?
場所?それとも行事でしょうか?
何時でも、誰でも見られるんですか?
時間があれば寄ってみたいです。
友の奥さんも「7回目は無い」と云っていました。
今回、小夫天神社、桧原神社、大神神社、多神社、
櫛玉比女命神社、廣瀬大社、三島神社、石上神宮
に行こうと思っています。(時間が許せば?)
今回岩戸は、迷っています。
次回橿原市周辺に行く時にしようかと・・・?
投稿: 章 | 2017年3月 1日 (水) 23時12分
章さん、こんばんは(*^^*)
「おぢば」は、天理教教会本部の中にあります。
体育館のような、東大寺大仏殿のような大きい建物なので
すぐに分かります。
そこは、元、三島神社があった場所でした。
天理教の教祖、中山みき氏が、その神から天啓を受けた場所だと言われています。
建物は、いつでも誰にでも開かれており、自由に入ることができます。
「天理教教会本部」の記事
https://misa-kazabana.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-7ee7.html
中に入ると、天理教の独特のお教?の合唱に圧倒されますが、
部外者が入っても、天理教のお祈り?をしなくても、
まったく気にされません。
うちは、ただそこに正座をして、手を合わせて、場の雰囲気や
甘露台からくる力を感じていただけでした。
三島神社に行くのでしたら、あの辺りはまったく駐車場がないので、
天理教の駐車場に止めさせてもらって、神社に行くのもよいかと思います。
駐車場から歩いて10分くらいです。
行けるといいですね^^
廣瀬大社、多神社は行ったことがないので行きたいですね^^
お気をつけて(*^^*)/
投稿: 弥沙 | 2017年3月 2日 (木) 02時26分
ありがとうございます。合掌!
投稿: 章 | 2017年3月 2日 (木) 20時27分