神の鉾 2 ~高良玉垂宮神秘書~
続き。
「高良玉垂宮神秘書」
それは、筑後国一之宮である「高良大社」の伝承が記される。
神秘書は漢字、カタカナの書き下し文になっている。
分かりにくい箇所は同義の言葉にしている。
ウガヤフキアエズ尊は住吉大明神
この御子、住吉五神。
二人は女子、三人は男子。
嫡男 表筒男尊 日神の垂迹 大祝の先祖(後に高良の祭司となる)
次男 中筒男尊 神武天皇
三男 底筒男尊 月神の垂迹 高良大菩薩
表少童尊
中少童尊
住吉明神、表筒男尊、底筒男尊の三神は、兜率天に住まい、三光と現れ国土を照らしている。
この中で気になった名があった。
次男、中筒男尊は「神武天皇」。
*この国に留まって、神武天皇と現れ皇代の初めとなる
*守屋の大臣は神武天皇の変化なり
ここをもって大神御兄弟とは申すなり
他の住吉神と出現した後、この後の記載は一度もない。
「大神御兄弟」
「彼ら」は神話の全ての神。
親兄弟など全て同神。
ならば、神武天皇と高良神が同神、同時代であることを示唆しているのでは。
彼らが出現した時の様子が記される。
十五代神功皇后の時、イルヰ日本に来る。
その時、筑前国四皇寺の峰に登り、虚空を祈った。
東の空に白雲現れ来る。
白雲たちまちに四方に開き、光を放ち給えば、月神現れた。
白雲四方に開きたるは四天皇なり。
四つ鉾はその中に打ち違えて見えたり。
月神、この白雲に乗り給い、若冠となって現れ、四皇寺に下り給う。
これによってこの所を四皇寺の峰と申すなり。
高良の神は白雲に乗り、若者の姿となって四王寺に降り立ったのだ。
四皇寺とは、今の四王寺山。
太宰府市、大野城、粕屋郡にまたがる四つの峰を持つ標高400m程の山である。
彼らは神功皇后の祈りにより、出現した神。
彼の伝承に彼女は外せない。
住吉明神は告げた。
我が御子、三男 月神の垂迹 底筒男尊は応作天大将軍の再誕である。
天上の大力士なり。
大将軍にすればよいと。
彼を住吉高良大将軍と定めた。
皇后いわく、
日神垂迹表筒男尊、両副将軍と定めて、三韓を攻めた。
その後住吉明神は皇后の元を去った。
また虚空に住んだ。
神功皇后は、底筒男尊と表筒の命を両副将軍と定めた。
住吉大明神(父)は虚空へ戻った。
さて、最初の月神が現れた時の「四方に開き光をはなつ」様子を表したものが、高良大社の神紋である。
では「鉾」という記述は、神紋の由緒の一つとなる。
さて、その「鉾」は、誰の鉾?
( つづく )
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今更ながら始めました。
古代や神のこと、少しずつつぶやきます。
小分けなので分かりやすいかもです
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