大根地山の神功皇后 前編 ~筑紫神の伝承 5 ~
続きです。
「筑紫神の伝承 1」で登った基山。
その頂上で気になった方向にあったのが「大根地山」だった。
(基山山頂の石板)
基山(荒穂)の神の五十猛命は、高良神であった。
磯良の名から、石上。
彼は物部の祖神、饒速日命ではないのか。
それを確かめたかった。
それには、「高良神」の伝承を追うのが手掛かりになる。
かの神は、神功皇后と共に「イルヰ」を退治したと伝えられる。(高良玉垂宮神秘書)
彼が饒速日命ならば、その伝承は彼らのもの。
ならば、神功皇后の側に彼はいたはず。
そうして、気になったのが大根地山だった。
帰って調べたら、「神功皇后が登って神事をした山」とあった。
頂上付近には「大根地神社」がある。
12月のよく晴れた日に、登った。
登山道入り口は、バイパスの冷水(ひやみず)道路のトンネルの上になるので、旧道の国道200号線から行った。
「大根地神社」の地名は、福岡県飯塚市内野であり、山頂は福岡県筑紫野市香園。
狛犬がお狐さん。
ここはお稲荷さん?
階段を数段上がると道に出る。
シーボルトや吉田松陰も通ったという長崎街道。
しばらく歩くと鳥居が見えてきた。
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この辺りが「冷水峠」。
九州の箱根と言われる程の難所だったそうだ。
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この参道の階段を上ると登山道。
この鳥居から神社まで、約2キロある。
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まん丸っこいお狐さん。
可愛い。
間もなく、車でも通れるような舗装道に出る。
でも狭く急なので、四駆でないと難しいと思う。
途中にある鳥居。
神功皇后の逸話がある烏帽子岩。 .
神社が見えてきた。
2キロとのことだが舗装して登りやすかったので、下の鳥居からここまで45分程。
この道をまっすぐ行くと、大根地山頂上。
先に神社がある左の方へ。
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こちらは、とても居心地がいい。
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大根地神社の由緒
大根地神社は、天神七代、地神五代の大神をお祭りしています。
社伝によれば、「人皇第十四代仲哀天皇の九年三月八日
神功皇后羽白熊襲御征伐のとき、大根地山に登り天神七代、
地神五代を大根地大神として祭り、親ら神楽を奏し勝ち軍を
祈り宿陣す、その霊験著しく容易に熊襲の諸賊を誅滅す」と
伝えられ、いとも御由緒の顕著なる神社であります。
その後、建久三年に須佐之男命、大市姫命の二柱の神を合祀し、
雲閣稲荷大神と称え奉る。
古老の口碑によりますと「建久三年富士山に在ること、
壱千有余才の神通自在の白狐が源頼朝公富士山に
御猟の評定がありしときに、この山を発し
筑紫の内野の根地岳に移り給う」と伝えられ、
根地雲鶴大明神と称え、その後、九州の稲荷の
別当の官を崇め奉る。
(以下略)
神功皇后が羽白熊襲の征伐の時に、大根地山に登って、
天神七代、地神五代を大根地大神として祭った神社だった。
「熊襲の諸賊を誅滅す」とあるが、熊襲とは、羽白熊襲のこと。
「羽白熊鷲」とも記されている”それ”は、
翼があり高く飛び、人民を掠めていたと伝えられている。
それは、まさしく高良の伝承にあった「ヰルイ」、異類。
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