荒穂神社の高良神 ~筑紫神の伝承 2~
(☆→基山*五十猛命の山 ~筑紫神の伝承 1~)つづき。
「荒穂神社」は、佐賀県三養基郡基山町の基山の麓にある。
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鳥居の奥に見えるのが先日登った基山(きざん)。
荒穂神社のご神体。
行ったのは2月で所々雪が残っていた。
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ご祭神は、瓊々杵尊
鴨大神
八幡大神
宝満大神
春日大明神
住吉大明神
五十猛命
この荒穂神社は、もともと基山の山頂にあった。
基山は五十猛神が、木の種を最初に植えた山とされちる。
木の山、そして始め(基・もと)の山としての基山。
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基山周辺の伝承。
昔、木の山(基山)の東に荒ぶる神(鬼)がいて、往来の人が命を落とす「命尽くし(筑紫の名の起原)」ことがあった。
それを退治したのが五十猛神。
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伝承にある荒ぶる神(鬼)を倒したと言う五十猛命。
それ故にこのお社に祀られることになったのだ。
とすれば、基山の山頂と共に五十猛命を祀るお社なのでは?
おそらく、瓊々杵尊は神話からによる後付け。
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荒穂神社には、伝説の石が三つ並んである。
右 子宝石。
中 荒穂の神と高良の神が統合された石と伝えられ、
石の上部に指の跡形がついています。荒穂の神の投げた石は高良の神の神殿の下のあると言われています。
左 荒穂の神の馬が基山の頂上より飛び降りた石と伝えられ馬の蹄の跡形がついています。
この謂れが斎祭の起こりと伝えられています。
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左の石の伝承から、中の石が「言わんとしてること」が見えてきます。
左の石。
「神の馬が基山の頂上より飛び降りた石」
この社の神は、基山山頂からこの地に来たということ。
山頂の神と同じである。
この社はもともと、基山の山頂にあった。
それを踏まえて、中の石。
「荒穂の神と高良の神の統合された石」
「荒穂の神の投げた石は高良の神の神殿の下にある」
荒穂の神と高良の神は同じだということを表している。
左の石が、中の石の説明の「補足」をしてるのだ。
荒穂神=高良神だと。
これと同じ表現が、後の神社にでる。
その時にリンクする。
彼は名を変えられても、大切に受け継がれ、祀られてきた。
けど、「名が違う」というのは、遠回しに神に祈ってるようなもの。
(☆→神*総まとめ)
(つづく)
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