二つの伝承 2 荒穂神社 ~佐賀県三養基郡~
「荒穂神社」は、佐賀県三養基郡基山町の基山の麓にあります。
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鳥居の奥に見えるのが先日登った基山(きざん)。
荒穂神社のご神体です。
行ったのは2月で所々雪が残っていました。
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ご祭神は、瓊々杵尊
鴨大神
八幡大神
宝満大神
春日大明神
住吉大明神
五十猛命
この荒穂神社は、もともと基山の山頂にありました。
基山は五十猛神が、木の種を最初に植えた山とも言われています。
木の山、そして始め(基・もと)の山としての基山。
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基山周辺の伝承です。
昔、木の山(基山)の東に荒ぶる神(鬼)がいて、往来の人が
命を落とす「命尽くし(筑紫の名の起原)」ことがありました。
それを退治したのが五十猛神。
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伝承にある荒ぶる神(鬼)を倒したと言う五十猛命。
それ故にこのお社に祀られることになったのでしょう。
とすれば、基山の山頂と共に五十猛命を祀るお社なのでは?
おそらく、瓊々杵尊は後付けなのだと思われます。
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五十猛命。
スサノオの御子、ニギハヤヒの兄弟とも言われています。
飯盛山の飯盛神社にも祀られていた神。
この五十猛命って・・・。
飯盛山でも感じていた思いがありました。
それは、基山の頂上で感じたものと繋がっていました。
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*追記(2022/1/10)
今だから分かることがありました。
荒穂神社には、伝説の石が三つ並んであります。
右 子宝石。
中 荒穂の神と高良の神が統合された石と伝えられ、
石の上部に指の跡形がついています。荒穂の神の投げた石は高良の神の神殿の下のあると言われています。
左 荒穂の神の馬が基山の頂上より飛び降りた石と伝えられ馬の蹄の跡形がついています。
この謂れが斎祭の起こりと伝えられています。
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左の石の伝承から、中の石が「言わんとしてること」が見えてきます。
左の石。
「神の馬が基山の頂上より飛び降りた石」
これは、この社の神は、基山山頂からこの地に来たということ。
つまり、山頂の神と同じである。
この社はもともと、基山の山頂にありました。
それを踏まえて、中の石。
「荒穂の神と高良の神の統合された石」
「荒穂の神の投げた石は高良の神の神殿の下にある」
これは、荒穂の神と高良の神は同じだということを表しています。
左の石が、中の石の説明の「補足」をしてるのですね。
遠回しに、
荒穂神=高良神だと。
これと同じ表現が、後の神社にでます。
その時にリンクします。
や~~こん時(最初に記事を上げた時)はまったくスルーしてた~~^^;
今朝、写真撮りに行きました。
彼は名を変えられても、大切に受け継がれ、祀られてきた。
けど、「名が違う」というのは、遠回しに神に祈ってるようなもの。
(つづく)
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