魂須霊 6 ~物部の祖神 * 饒速日命~
そうだった。
物部氏は、自分たちの祖神以外を祀ることは決してない。
祖神、饒速日命以外の神を。
高良の神が三島神社に祀られていた。。
「三島」の名は、オリオン座の三ツ星を表す。
三ツ星の神は、住吉神。
海神であり、星の神。
海の民の守り神。
三島神社に祀られていた神の名の名は、
事代主、春日、住吉、八幡、高良の神。
すべて同じ神を表す。
高良大社の神も、高良玉垂神、住吉神、八幡神。
高良は物部の地。
そして彼自身も伝承の中で「物部」を名乗っている。
物部は饒速日命の子孫だ。
*
「二人とトヨ」
神功皇后と卑弥呼、二人に共通するものに「とよ」の名がある。
卑弥呼には宗女「台与(とよ)」。
(宗女は、一族の娘)
神功皇后には妹「豊姫」。
高良玉垂宮秘伝書では、豊姫は住吉三兄弟の長男(高良の神の兄)に嫁ぐ。
地上での名は「物部の大連」。
こちらも物部との関係性を示唆している。
住吉三神の次男は、神武天皇。
最初に名が出るだけで、その後一度も出てこない。
(「神の鉾 2 ~高良玉垂宮神秘書~)」
ここで神武の名が出るのは、「同じ時代」ということにしたかったのだと推測。
前回も書いたが、神話の神武には媛蹈鞴五十鈴媛命という后 がいた。
父が大物主神、母が玉櫛姫(三島溝杙)。
彼らが饒速日命であり、その妃、ミカシヤ姫。
「饒速日命が高良の神」
そうであるなら、すべて繋がる。
彼の后は、卑弥呼ともされる神功皇后である、ミカシヤ姫。
ヰルイ退治の伝承で高良の神と共にした「甕依姫」。
(「二つの伝承 8 ~五十猛命と甕依姫~)」
高良の神と神功皇后の子が「応神」であり、「神武」であるからこそ繋がるのだ。
*高良の伝承では、二人には九人の子供がいたとされる。
すべて彼女が産んだわけはないので、そのうちの何人かは育ての子。
「卑弥呼の宗女・トヨ」は、それを表しているのかもしれない。 *
饒速日命が高良の神(住吉)、ミカシヤ姫は神功皇后。
神武は二人の子(応神)であり、彼の妃、媛蹈鞴五十鈴媛は宗女・豊姫。
*
神功皇后とされた彼女は、筑前風土記に甕依姫として名を残したミカシヤ姫。
高良の神・饒速日には、櫛甕玉比古の名があった。
彼女の本当の名は、日甕(ひみか)。
日の神の巫女。
神功皇后とされる人の本当の名。
*
卑弥呼は、日甕・ヒミカ。
日の神・櫛甕玉比古の妃であった、櫛甕玉姫・ミカシヤ姫。
神功皇后は住吉の神と共に生きた、彼女だった。
伝承に事実が入り混じり、さらに当時の政権の都合のいいように変えられている。
それが神話。
が、それは過去であると同時に、未来が描かれたものでもある。
誰かに伝える為に。
その為に残すのだ。
住吉の神は、歳神でもある。
「人として姿を現す唯一の存在」であり、
「この世が大事の時、再び現れる神」とお社にある。
それが本当の「現人神」たる由縁。
だから、探さなくてはならない。
伝承に残った彼の軌跡と未来を。
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