御炊社*大神神社の豊受大神 ~御炊屋姫を追って ⑨~
(「☆→村屋坐彌冨津比賣神社*物部の弁天様 ~御炊屋姫を追って ⑧ ~)の続き
大神神社の境内にある「御炊社」です。
ミカシギ社。
御祭神は、御膳津神(みけつかみ)。
神饌を用意する神であり、伊勢の外宮の豊受大神の別名でもあります。
また、宇迦之御霊を意味します。
とても分かりにくい場所にあるので、初めて行った時は、神職さんにお聞きしました。
大神神社を背にして、参道のすぐ脇(左側)にあります。
階段を上がり、社務所、三輪山会館の前の小道を行きます。
右側に「御炊社参道」という標識があるのでそこを下って行きます。
すべて腑に落ちました。
つまり、御炊屋姫の「御炊(みかしき)」は、豊受大神である御膳津(みけつ)神の別名であったのです。
御炊屋姫は饒速日命の后です。(みかしきや姫、みかしや姫、どちらでもよいと思う)
饒速日命は、大神神社の大物主であり、天照大神。
その后の御炊屋姫が豊受大神であった。
ならば、ここにあるのは必然になります。
これで多くのことが明らかになります。
☆饒速日命の后、御炊屋姫は豊受大神である→
☆三輪の神は饒速日命であり、彼が内宮の天照だから、ここに外宮の神がある
☆弁財天である、市杵島姫命、御炊屋姫は同神→
☆市杵島姫命(宗像神)は、豊受大神
(御炊屋姫が豊受大神であるから、同神の市杵島姫命は豊受大神である)
饒速日命=天照大神=大物主神
御炊屋姫=豊受大神=市杵島姫命
この二柱は夫婦神として、それぞれの神社で入れ替わって祀られてもいます。
(他にもあるけど、それは後に)
外宮の神、豊受大神は、籠神社の相殿にも祀られていました。
< 籠神社の神と出雲の神 >
*籠神社
京都の籠神社には、主祭神として天火明命。
相殿に豊受大神が祀られています。
また「丹後一宮籠神社縁起」には、塩土老翁(住吉神)と豊宇賀能売命(豊受大神)が夫婦とあります。*1(記事下で補足説明)
一方で、籠神社では、饒速日命と市杵島姫命が夫婦であるともしています。
彼らが同神であるから、入れ替わりが起こっているのです。
天火明命=饒速日命=塩土老翁=住吉大神
市杵島姫命=豊宇賀能売命=豊受大神
この籠神社の「天火明命」は、伊勢内宮の天照大神です。
(「古代史の謎」 2 ~籠神社の神は天照大神・饒速日命~」)
(「神の系譜 2 ~伊勢の神は磯良神・日月の神~」)アメブロの記事
御祭神は天火明命。
物部系の文書「先代旧事本紀」では 天照国照彦天火明櫛玉饒速日命。
籠神社は元伊勢。
(伊勢)下宮の神は、丹後から「独り身は寂しい」と豊受大神を連れてきたが
本来、独り身が寂しいというのは男神の方。(関裕二氏著「古代史の謎」より要約)
丹後にある籠神社から、外宮へと勧請されたのが豊受大神。
内宮の神が(籠神社での)夫婦神である豊受大神を呼び寄せたのです。
ならば、内宮の神は、籠神社のもう一柱、天火明命である饒速日命。
彼が天照大神です。
豊受大神は御炊社に祀られる神、御膳津神=御炊屋姫。
彼女は市杵島姫命と同神です。
天火明命と豊受大神。
饒速日命と市杵島姫命。
饒速日命と御炊屋姫。
それぞれ夫婦とされるのは、彼らは同神であるからです。
*出雲大社
出雲大社では、大国主神と市杵島姫命は夫婦であり、「筑紫姫(宗像神)」として祀られています。
(多紀理毘賣という説もありますが、宗像三神は、元々は一柱)
大国主神は、大神神社の大物主神。
大国主神=大物主神=天火明命=饒速日命=天照大神。
ならば、
市杵島姫命(宗像神)=豊受大神=御炊屋姫である彼女が、それらの男神と「夫婦」とされているのは、必然です。
名が入れ替わっているのです。
< 瀬織津姫 >
☆饒速日命と夫婦とされる瀬織津姫は、織姫である御炊屋姫でした。
瀬織津姫は天照大神の后ともされています。
内宮荒祭宮に祀られるとされます。
御炊屋の”かしきや”には、「織姫」の意味があるのです。
瀬織津姫の名は、彼が水の神「住吉」である対の名です。(綿津見神の津は海)
二柱は共に「祓いの神」です。
(「御炊屋姫と瀬織津姫の名の意味 ~「儺の国の星」の炊屋星~」)
(「神功皇后の伝承地 10 ~織姫と市杵島姫命と神功皇后~」)
(「祓いの神 9 ~波折神社*瀬織津姫と住吉神」)アメブロの記事
御炊屋姫=織姫=瀬織津姫=市杵島姫命=豊受大神
では、御炊屋姫の名は、瀬織津姫、豊受大神も表す名であるということになります。
< 御炊社の神 >
神は夫婦ならば、同じ敷地内で祀られます。
三輪山(大神神社)にあった二つの社、
「御炊社」の豊受大神である御炊屋姫。
「市杵島姫命神社」の市杵島姫命。
二柱は同神であり、弁財天であり、彼の后でした。
その社をここで見つけた時、本当に嬉しかったのです。
彼らは、大神神社でも、ちゃんと側に寄り添っていました。
( つづく )
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