伊野天照皇大神宮①~女神・天照神の名~
糟屋郡久山町猪野の「伊野天照皇大神宮」。
九州の「伊勢」と言われています。
この社の事をココログでUPして数年。
今、amebloで同じ記事を上げてます。
見返した時、「今だからこそ分かる事」が多くて。
前の記事に追記するよりも、新たにUPします。
写真は秋に行った時のもの。
御祭神 天照大神 手力雄神 萬幡千々姫神
合祀 水取宮祭神 五霊大明神 住吉三神 志賀三神
神功皇后が天照神をお祭りしたという天照大神。
その名は、撞賢木厳御魂(つきさかきいつのみたま)と書かれています。
又の名を、天疎向津姫命(あまさかるむかつひめみこと)。
この「鉾」は、何かを表しているのではないか。
女神には不釣り合いだ。
・・・ここの神は向津媛ではないのではないか?
神の名で疑問を感じたのは、ここが初めてでした。
.
もしも、神功皇后が祀った神ならば・・・。
それは「饒速日命」なのではないかと。
ここから「神の鉾」の話に繋がりました。
(「神の鉾」)
彼は
天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊。
筑紫にある、天照神社のご祭神は饒速日命なのです。
その内の二つ。
お社の右にある山道を進んで行きます。
裏山の遠見岳へ。
神功皇后が夫の仲哀天皇と共に、ここから異国を「遠見」をしたと言われてます。
どこの山を登っても見られないのは、明白です。
「神は山に在り」
だから、神事をしたのです。
この遠見岳から少し下がて尾根伝いに行くと、神路山があります。
「神路山」
意図して、その名にしたのでしょう。
ここの天照神と、伊勢の神は同じです。
女神、天疎向津媛命でないならば、誰?< 女神の名 >
女神、天照神にはいくつかの名があります。
その一つが、天疎向津媛命(あまさかるむかつひめのみこと)。
「天に疎い」
神の名は当て字が多く、卑字が使われているものもあります。
ですが、これには意味があるように思います。
「疎」とは、関係が薄いという意味。
つまり、「天(日の)神では無い」ということ。
「つ」は、「格助詞」の意味があります。
まつげは、目の毛。
「の」と同じ役割。
その上、「つ」に先行する名詞・形容詞は、時間・場所を表すものと、属性を表すものとにほぼ限られる[1]。 つ (格助詞) - Wikipedia
属性とは、素性、社会的な関係。
この名は、「天(日の神)では無く、神に向かい合っている者」を表しています。
もう一つ、「撞賢木厳御魂(つきさかきいつのみたま)」。
つきの「音」は、斎き(いつき)の「つき」。
祀る者の意味。
また、撞の漢字は「つく」の意味があります。
(鐘を撞くのつく)
賢木(さかき)は、榊と同じ意味。
「神との境の木」を表します。
その名は「神との境の木をつき、祀る者)」=巫女のこと。
(神との境の木をついて、鳴らす、響かせるような意味合い)
この二つの名に共通するのは、 「天(日の)神ではなく、神を斎き祀る者」だということ。
こんなに頑なに否定してるのですよ。
彼女は、天照神ではないのです。
天照を祀る「彼女」とは、誰か。
今だからこそ、分かります。ここにすでに名がありました。
厳御魂(いつのみたま)。
厳島神社の御神霊である、市杵島姫命です。
(彼女にも多くの名があります)
いちきしま、いつくしま、「斎き島」は、星の神を祀る者。
(古代、島と星は同義語)
その彼女に「祀られる彼」は、
日の神、天照であり、星の神、また海の神でもありました。
御神祭で配列、摂社に祀られている神の多くは同神。
または、その神と絆があるもの。
ここには、「住吉神」「志賀三神」の名もあります。
天照の子だから?では、他の神の名が無いのは、何故?
「彼」を祀ったのは、「神功皇后」です。
彼女にとっての「天照大神」。
それは、住吉神でした。
(つづく)
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