神の鉾 5 ~月神の二つの珠と十種神宝~(改訂版)
高良神は、住吉神であり、饒速日命。
それを示唆するものが、「神秘書」の中にありました。
さらに夫婦とされる「神功皇后」も登場します。
高良大社(7)
九躰皇子と『高良玉垂宮神秘書』 (綾杉るなさんのブログ「ひもろぎ逍遥」より引用)
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嫡男の日神・表筒男の尊は神功皇后の妹・豊姫と夫婦になった。
地上での名は太政大臣玄孫(ひまこ)大臣物部の大連。
天照大神のひまごという事から付いた名である。
二人の間の御子は大祝日往子(おおはふり・ひゆきこ)という。
三男の月神・底筒男の尊は神功皇后と夫婦になった。
地上での名は物部の保連。藤大臣。高良大菩薩。
藤大臣と呼ぶのは、干珠満珠を借りた時の仮の名前。
皇后には九人の御子がいた。
四人は仲哀天皇との間の御子で、五人は高良大菩薩との間の御子である。
合わせて九人の御子を九躰の皇子と言う。
(中略)
1 斯礼賀志命(しれかし)
2 朝日豊盛命(あさひとよもり)
3 暮日豊盛命(ゆうひとよもり)
4 渕志命(ふちし)
5 谿上命(たにがみ)
6 那男美命(なをみ)
7 坂本命(さかもと)
8 安志奇命(あしき)
9 安楽應寳秘命(あらをほひめ)
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筑後国一之宮「高良大社」の御祭神は、
高良玉垂命
八幡大神(応神天皇)
住吉大神
後に分かりますが、皆、同神、饒速日命です。(後に詳しく)
故に、高良神である住吉大神と、神功皇后が共に行動をしているのです。
< 二つの珠 >
海神がもたらしたという「干珠と満珠」
綾杉るなさんは、この二つの珠について、こう書かれています。
これは「神の鉾 3 」の磯良舞にも出てきます。
玉依姫は白玉で潮干珠(しおひるたま)、豊玉姫は赤玉で潮満珠(しおみつたま)、
その玉を使いこなすのが高良玉垂の神。
(中略)
高良玉垂命とは、潮の満ち引きを司る神と言う事になります。
人は潮が引くときに、息を引き取ります。潮が満ちる時に生まれます。
潮の満ち引きは月のなせる技です。
ですから、月の神様と言われる訳です。
これが御神徳の「延命長寿」にもつながっていきます。
海神がもたらした「干珠と満珠」という二つの玉は、「人の生死」に関わる。
それを使いこなす高良神は月神。
同じような物が出てくる話があります。
饒速日命がもたらした「十種神宝」。
その中の、生玉、死返玉。
亡くなった人をも蘇らせるという神の宝。
kono87(前世の仲間の一人)さんが、以前ブログでそれを書かれていました。
生玉は陽の言霊で潮満玉
死返玉は陰の言霊で潮干玉
饒速日命は、これらの神宝を使いこなしていました。
石上神宮には彼が伝えたという、十種神宝の名を唱える祝詞があります。
亡くなった人をも蘇らせると言われる神宝を操る神。
人の生死にかかわる事のできる神。
饒速日命である天火明命も、籠神社の伝承で月神とされています。
饒速日命の「十種神宝の生玉、死返玉」と
高良の神の「干珠満珠」。 .
それは同じ物です。
高良神と、饒速日命。
同じ月神なのです。
神話の月神・月読神はすぐに隠れてしまいます。
その後、登場しません。
それは、饒速日命の(神話上での)行方を示唆しているようです。
大阪の住吉大社には、「潮満珠と潮干珠」のお守りがあります。
また、境内の「玉ノ井」には潮満珠が沈められているとされます。
「海幸彦山幸彦」の神話の中で、
山幸彦が海神から授かったとされる二つの珠。
とお守りの説明文には書かれています。
住吉神=饒速日命=海幸彦山幸彦の伝承
干珠満珠=十種神宝の玉=潮満珠と潮干珠
同神であるから、それは同じ物。
だから、その社にあるのです。
( つづく )
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