饒速日命・神の系譜 4 ~月読神の十種神宝~
前回の続きです。
伊勢は磯宮。
高良大社、鹿島神宮、石上神宮と同じく、磯良神(いそらかみ)である、饒速日命を祀る宮。
彼は住吉神でもあった。
神話や伝承の中には、「彼を示す」共通する神宝が存在する。
< 二つの珠と十種神宝 >
月神、高良神である住吉神は二つの珠を持つ。
海神からもたらされ、潮の満ち引きを操る珠。
(直接、海神から受け取ったのは豊姫)
これが干珠満珠。
大阪住吉大社にもこの珠の伝承があり、境内の井戸に沈められているとされる。
御祭神の一柱は豊玉彦。
住吉神が高良神であり、豊玉彦とも同神である。
(住吉大社*第一本宮*底筒男神)
*高良神が底筒男神=住吉神なので、
第一本宮が底筒男神(実際は一柱)
☆海幸彦と山幸彦の話。
山幸彦は海神(豊玉姫)から、二つの珠を受け取り、地上へ。
山幸彦は、天火照命(豊玉彦)。*8
*昔話の浦島太郎はこの話をなぞらえている。
☆饒速日命の十種神宝。
生玉は陽の言霊で潮満玉
死返玉は陰の言霊で潮干玉
これら二つの珠は、月の作用を示す。
海の潮の満ち引きを操り、人の生死を司る。
彼が月神と呼ばれる所以。
潮の満ち引きを操る。
それは彼らの水利工事などによる現象から。
伝承の主、月神とされる高良大社の高良神と、饒速日命、天火照命(豊玉彦)は、みな同じ者。
少しずつ、姿を変えて伝えられている。
高良神の高良玉垂命の名は、玉を垂れる(もたらされた)故。
住吉神=饒速日命=山幸彦(天火照命)
干珠満珠=十種神宝の玉=潮満珠と潮干珠
< 大国主(大己貴神)・国平神 >
もう一柱、大国主神が二つの珠、奇魂幸魂を手にしていた。
神話では、相棒であった少彦名命が常世に帰ってしまった後、海から現れている。
この神(珠)は三輪山に祀れと指示。
これは、大国主神が(珠を持つ)三輪の大物主神であることを示唆す。
三輪山の神は、大物主櫛甕玉命。
櫛玉彦の名を持つ櫛玉饒速日命。
はっ!
櫛玉の名は、奇なる玉(干珠満珠)を持つ者という意味か!
大国主(国平)神の名は、国土を平にした故。
あちこちで治水工事を行い、病を治した(治療法を広めた)ことからだ。
その治水工事の一つが、奈良湖の水を引く為の川底開削。
古代奈良には、奈良盆地一帯を占める巨大な奈良湖があった。
その水を引いたのは、饒速日命達。
それも奈良の大物主神として祀られる所以。
出典元 画像は「古代で遊ぼ」
http://www.ne.jp/asahi/woodsorrel/kodai/edo/index.html
(古代奈良湖*AD200年頃もこれくらいの水位と思われる)
亀の瀬(左真ん中辺り)の亀石から、明日香の亀石の伝承へ。
明日香の亀石に伝わる「当麻のヘビ」から、長尾神社にたどり着く。
その社の伝承から、繋がったことがあった。
☆三輪明神(大神神社の大物主神)は「蛇神であり竜神」。
☆大神神社ー竜王宮ー長尾神社の御祭神は同じ
(竜とヘビの体は三社を繋ぐ=同神)
上記三社の神は、
長尾神社に、天照大神、豊受大神、水光姫命、白雲別命、市杵島姫命、天児屋根
竜王宮に、建玉依比古命、建玉依比賣命、豊玉比古命、豊比賣命。
大神神社に、大物主神、市杵島姫命、御膳津神(豊受大神)。
*建玉依比古命とは、鴨玉比古命のこと。(賀茂の神)
これらの神は同神。
大国主神=大己貴神=大物主神=饒速日命=天照大神=天児屋根=豊玉比古命=鴨(賀茂)神
ここに、天照大神、豊受大神、*8の豊玉彦、豊玉姫の名もある。
彼も、潮干珠、潮満珠を持つ、潮(水)の満ち引きを操る神。
(「古代*奈良湖と裂田溝 ① ~亀石の伝承~」)
(「古代*奈良湖と裂田溝 ② ~三輪のヘビは竜~」)
亀石の伝承から、古代の奈良湖の水を引いたのは、三輪山の大物主神である饒速日命と分かった。
「水の満ち引きをする」それ故に、月神とされたのだ。
まさに、国を造った大国主神。
出雲大社にあるあの像は、それをも表している。
彼は、「二つの珠」の力で潮(水)の満ち引きを操る月神とされた。
しかし、本来の月神の饒速日命は、隠されてしまう。
「神の系譜 2」の*4にあった、内宮の神を女神としたときに、「月神の名」をも豊受大神に変えられたからだ。
神話での月の神である月読命が最初の登場以降、隠れて現れないのは、これを示唆している。
( つづく )
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